以前は傘を閉じたままステッキのようにして持ち歩いていたKさん。
ある時から傘を開いて、たくさん並べるようになりました。お山のように並べることも、お椀のように並べることもありました。
一つまた一つ、傘を並べていきます。時々、自分が並べた傘を少し離れたところから眺めて、とても嬉しそうににっこりと笑っていました。
傘が太陽に向かって風に吹かれて、音を立てて並んでいるような、なんだかとても楽しげな世界が広がって、本当に、素敵でした!!
そこを通る子どもや大人たちは傘をよけて、との時々に傘の道ができました。
大きな傘を、からだ全部でいっしょうけんめいに開いては閉じ、開いては閉じ、を繰り返して、まるでダンスのように見えることもありました。
最初のうちは自分で傘を開いたり閉じたりするは難しかったのですが、大人に手伝ってもらいながら開いては閉じ、開いては閉じをしているうちに、すっかり自分で自由自在に扱うようになりました。
「小さい子たちがいる時には危ないから気を付けてね」と声をかけているうちに、周りに人がいる時には一気に開かずにゆっくりと開いて周りに気持ちを配ってくれていました